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「そして あなたは何が起きれば好いのでしょう?」のバリエーション【翻訳】

  • 執筆者の写真: 石井ゆかり
    石井ゆかり
  • 2023年3月6日
  • 読了時間: 6分

London Clean Language Practice Group 2004年5月 元は、cleanlanguage.co.ukにあるものですが、2023.3.2現在サイトリニューアル中で閲覧できないため、一時的に原典のPDFを貼ります。


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シンボリック・モデリングでは、「そして あなたは何が起きれば好いのでしょう?」は、方向転換の質問としても使用されています。その質問は、セッションのプロセスを、「何がどのように作用しているか」を探る純粋なモデリングから、「何がどのように変化できるか」を探る変化のプロセスへと方向転換します。


全てのクリーンランゲージの質問がそうあるように、この質問にも、多くのバリエーションが存在します。そして、様々な方法で、様々な目的のために問いかけることができます。今夜、私たちは、このようなバリエーションを探究します。この質問が、みなさんが思うよりずっと、芸達者な質問だということに気づいていただければ嬉しく思います。


目的:今夜は、「そして あなたは何が起きれば好いのでしょう?」という質問を、適度な範囲で、たくさんのバリエーションを使って問いかけ、クライアントの反応に注目します。 「そして あなたは何が起きれば好いのでしょう?」は、クライアントに望んでいるアウトカムを(言葉として)明示するよう に依頼し(request)、セルフ・モデリングを始めるようにクライアントを誘い招いて(invite)います。この質問を問いかけることには、多くのメリットがあります。

  • 最も重要なのは、この質問がクライアントの注意を「自分が望んでいたり必要としていること」に向け ていることです。そうするで、クライアントは「望む変化に対して自分が考えていること、感じていること、直感的に思うこと」を説明/描写します。

  • クライアントの回答がどんなものでも、その回答は、クライアントが持つ「変化のプロセス についての信念(クライアントが信じていること/beliefs)」に関わる情報を提供してくれます。

  • 例え、クライアントの答えが「わかりません(I don’t know)」だったとしても、クライアントは、この質問を検討したり熟考したりするでしょうし、そして、考えるその過程で、非言語的な反応をするはずです。

  • この質問に対するクライアントの反応は、宇宙の縮図(小宇宙/a microcosm)を表すことが非常に頻繁にあります。その宇宙の縮図は、クライアントが・・・<未来で、「どのように」問題が解決されることを期待し ているか>、<過去に「どのように」問題を解決しようと試みたか(その試みは失敗した)>を示しています。

そして、こういった反応や回答のいずれかが、ファシリテーターに、メタファー・ランドスケープのモデル構築を始めるきっかけを提供します。


基本のバリエーション:

  • そして あなたは 何が起きれば好いのでしょう?

  • そして[シンボルの名前]は 何が起きれば好いのでしょう?

  • そして...のとき [あなた/シンボル]は 何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、今(*) [あなた/シンボル]は 何が起きれば好いのでしょう?

*「今」は、「このセッションの中で」や「このワークショップの間に」または「残り10分で」などといった 他の時間枠に置き換えることができます。


その他のバリエーション:

付記: 以下のバリエーションの全てが、きちきちっとした(squeaky)クリーンというわけではありません。

*翻訳者付記:前提条件が入っている質問があります。

これらの質問は、「そして、あなたは 何が起きれば好いのでしょう?」の質問のバリエーションを問いかけるスキルを伸ばすために作られたものです。 以下に登場する太字の言葉の多くは、「そして、あなたは何が起きれば好いのでしょう?」の前に配置することも、後に配置することもできます。


*翻訳者付記:日本語でも、太字の言葉は場所移動できます。 例:「そして...する間、あなたは何が起きれば好いのでしょう?」→「そして、あなたは、...する間に、何が起きれば好いのでしょう?」

例:

  • そして、...する間/の間で/に、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、あなたが起きればいいことについて、他に何かありますか?

  • そして、...のような時ですら、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、[あなた/シンボル]が、次に起きれば好いことは何ですか? そして、[あなた/シンボル]は、次に何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、...の後に(で)、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、...の前に(で)、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、(因果関係や順序)の時から、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう? そして、(因果関係や順序)、それ以来、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、...、その間ずっと、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、...、その間に、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、...、それから、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう? そして、...、その時、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして今、その...、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、...として/があるとして、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、その代わりに、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、...、それよりも、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、...、その他に、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、...以外で、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、(たとえ)...でも、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、...だとしても、[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、[あなた/シンボル]は、...に 何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、[あなた/シンボル]は、...のために 何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、[あなた/シンボル]は、...と一緒に 何が起きれば好いのでしょう? そして、[あなた/シンボル]は、...と同時に 何が起きれば好いのでしょう? そして、[あなた/シンボル]は、...とともに 何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、[あなた/シンボル]は、...までに 何が起きれば好いのでしょう?

  • (内側/外側についてすでに言及されている時に使える) そして、[あなた/シンボル]は、...の内側/外側に 何が起きれば好いのでしょう? 例:「家の外に出れないんです。」   そして、あなたが家の外に出れないとき、あなたは家の中に何が起きれば好いのでしょう?

  • そして、[容器のメタファー]の中で(に)[あなた/シンボル]は何が起きれば好いのでしょう? 例:「私が達成できることには限界があります。」    そして、その限界の中で、あなたは何が起きればいいのでしょう?


エクササイズ

準備:上記の質問のバリエーションのリストが全員に行き渡っているようにする。


エクササイズ1:グループ

  1. A が、(複数の文章で描写されている)問題についての発話を、全員に見えるように、ホワイトボードなどに記入する。

  2. グループの誰か一人が、質問のバリエーションのリストから質問を一つ選ぶ。そし て、Aがホワイトボードに書いた問題を元に、質問を使って問いかける。

  3. A は答えを考える。口に出して回答しない。

  4. 別の人が、質問のバリエーションのリストから、また別の質問を選び、そして、A が ホワイトボードに書いた問題を元に、質問を使って問いかける。

  5. A は答えを考える。口に出して回答しない。 かわるがわる、リストにある質問全てを問いかけ終わるまで、4、5を繰り返し続ける。 リストには載っていない、その時思いついた質問があれば、それも問いかけてみる。 エクササイズ終了後、A は手短に自分の体験について報告する。 (それまでは質問の回答、感想や意見を言わないこと。)

エクササイズ2:ペア

5分ごとに役割交代する。 A:自分が現在抱えている問題/困難を、一文にまとめて書く。そのあと、Bにそれを伝える。 B:質問のバリエーションリストから質問を一つ選ぶ。そして、Aの言ったことを元に、質問を使って問いかける。 A:質問に答える。 ・・・ (*) A:自分が現在抱えている問題/困難を繰り返して言う。 B:質問のバリエーションリストから先ほどとは別の質問を一つ選ぶ。そして、Aが最初に言ったことを元に、質問を使って問いかける。 A:質問に答える。 (*) (*)から(*)の部分を、6種類のバリエーションの質問を使うまで続ける。6種類の質問について、Aが答え終わったあと、Aは自分の体験について短く報告する。 その後、役割を交代する。

エクササイズ3:3人1組

1ターンは15分。合計45分。

  1. B が A に「そして、あなたは何が起きれば好いのでしょう?」と問いかける。

  2. A が答える。

  3. C が[A の2の答え]について、質問リストのバリエーションの中の質問を一つ問いかける。もしも、バリエーションの中の質問がどれも、A が答えやすいものではないように思われる場合は、バリエーションの中の質問が問いかけられる答えが出てくるまで、他のクリーンな質問を使って問いかける。

  4. A は C の質問に答える。

  5. B が次のバリエーションの質問を問いかける。

  6. B と C はバリエーションの質問を一つ問いかけるごとに、ファシリテーター役を入れ替わる。 A のどの答えを使ってバリエーションの質問を構成してもいい。

  7. 15分後、役割を交代して、3人ともがクライアント役をするようにする。 最後にグループ全体で、報告し合う。



追記:このワークの目的は、できるだけ多くのバリエーションを問いかけながら、セッションをできるだけ自 然なものにすることです。重要な目的は、ファシリテーター(B と C)が質問のバリエーションを使う練習をするこ とです。「クライアント(A)」が人生を変えるような経験をすることではありません。

エクササイズ考案:ジェームズ・ローリー


London CLPG: Variations on 'And What Would You Like To Have Happen?

©Penny Tompkins & James Lawley

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