*Clean Learningのブログ記事より
(訳注:記事中に登場する質問の訳は一例です。他の訳も存在します)
・クリーンランゲージの質問が生まれるまでの簡単な流れ
・使用されている動詞で質問を分類 ・質問の紹介などについてです。
私は最近、クリーンランゲージの質問そのものについてサイトに載せていないことに気がつきました。 というわけで、今回はクリーンに関わる全ての心臓部にある質問たちについてです・・・
クリーンランゲージは、 ユニークな方法で問いかける約20の質問から構成されています。
デイビッド・グローヴが、仕事でセラピストを観察し、彼らのクライアントとのセッションの逐語録を分析した時のことです。デイビッドは、セラピストがわずかにクライアントの言葉を変更していることに気づきました。
そして彼はこれはクライアントの経験を含む言葉を奪うと感じました。それで、彼は手つかずのままのクライアントの言葉を守り、言葉通りにそれを繰り返す実験をしました。
彼はまた、質問が含む前提条件を減らすために、質問そのものを削り始めました。
例えば、「あなたは何を考えているの?」は、人が何かを考えているということを前提条件とします。そして、可能な返答には限りがあります。そこでデイビッドは質問を”クリーンに”「あなたは何か考えている?」になるようにしました。後に、彼は「考えている」という言葉を削り、一層クリーンな質問を使いました。「・・・・について他に何かありますか?」
デイビッドはまた、彼が尋ねようとしている質問が、クライアントが経験について、個人の物の見方へと注意を向けるのに効果的であるように、特別な注意を払いました。
彼は「あなたがそれをどのように感じるか私に言える?」と言ったような質問が、クライアントの注意を前後(あなた−それ)に移動しようとすることに気がつきました。
それで彼は、それらの代名詞がクライアントが語っていることの一部でない限り、すべての代名詞を質問から取り除きました。
そしてまた、「私にもっと話してください」は「…について他に何かありますか?」になりました。
いくつかの言葉を省略したのと同様に、デイビッドは、2つの明確な言葉を付け加えました。
・その (原文:that)
「その」という言葉は、内的情景の特定の方向をよりはっきりと指し示すことが考慮されています
例)もしクライアントが、「私はもっとリラックスしていると感じたい」と言えば、(ファシリテーターは)「そのリラックスしているはどんなリラックスしているですか?」と尋ね、クライアントの注意をリラックスしているという言葉に向け、その詳細についてもっと考える方向にクライアントを招き入れます。
・そして(/で) (原文:And)
デイビッドはそれぞれの質問を「そして(で/And)」という言葉から始めました。これはクライアントがクライアント自身の体験の中に居続けられるように、クライアントの言葉をまず受け止め認識し、それからファシリテーターの言葉をクライアントの言葉と結合するためです。
もしも、ある人が記憶を思い出していたり、未来で発生するに違いないことについて話しているとしても、思い出したり心に描いたりする経験は、たった今、発生しています。
そのため、クリーンランゲージのもう一つの特徴、それは、すべての質問が現在形で構成されていることです。そして、これがクライアントが部屋の中でセルフ・モデリングの「実況中継(ライブ)」を始めることを可能にします。そして、変化が部屋の中で「生放送(ライブ)」で起きうるチャンスもまた増えます。
「質問を綺麗に掃除する」中、ほとんどの動詞は削られました。
そして質問のほとんどは次の2つの動詞のうちの一つを含みます。
「存在を表すbe動詞(原文to be)」「起こす、起きる(原文:to happen)」
「なる(ある、いる:be動詞)」という動詞を含む質問は、時間を止めることを助け、そしてたいていの場合、自己理解を促進するために使用されます。
(訳注:原文中is,are。ある、いる、なる。)
*その・・・について他に何かありますか? / Is there anything else about that … ?
*その・・・はどんな/どのような・・・ですか? / What kind of … is that … ?
*・・・はどこですか?/どこにいますか?/どこにありますか? / Where is … ?
*・・・はどの辺りですか? / Whereabouts … ?
*その・・・は何のよう? / That’s … like what?
*・・・はいくつありますか? / How many … are there?
*・・・と・・・の間に関係はありますか? / Is there are relationship between … and … ?
*・・・と・・・は同じですか?違いますか? / Is … the same or different to … ?
*・・・は内側ですか?外側ですか?(内側にありますか?外側にありますか?)
/Is … on the inside or the outside?
「起きる(原文:to happen)」を含む質問は通常、クライアントが時間を前後に動かすように勇気づけます。
*すると 何が起きますか? / Then what happens?
*次に 何が起きますか? / What happens next?
*・・・の直前に 何が起きますか? / What happens just before … ?
*あなたは 何が起きればいいのでしょう? / What would you like to have happen?
*・・・・が起きるために起きる必要があることは何ですか?(・・・が起きるために何が必要ですか?) / What needs to happen for … to happen?
*・・・・の時、・・・に何が起きますか? / When … what happens to … ?
その他の動詞を用いた質問:
*あなたは・・・をどのように知りますか? / How do you know … ?
*・・・はサイズや形はありますか? / Does … have a size or a shape?
*何が・・・を決めますか? / What determines …
*・・・はどこから来たと言えますか?(どこから来ましたか?)/ Where does / could … come from?
*・・・・はできますか? / Can … ?
シンタックス(構文)
あなたは、私が先に触れた「で(そして)」には何が起きるかと不思議に思うに違いありません。
「で(そして)」はあなたがクライアントの言葉と、質問の一つを結合する時に現れます。
クリーンな質問は、以下の3つの機能を持ちます。
クライアントが言ったことを認識する。
クライアントの注意を彼らの経験のある一つの方向に向ける。
クライアントを自己の知恵の探索へ送りだす。
ですから、もしクライアントが「私はもっと健康になりたい」と言ったら、私たちは、この3構文(スリー・シンタックス)を使用できます。
そして、あなたはもっと健康になりたい (認識する)
そして、もっと健康 のとき(に) (注意を向ける)
その「もっと」 について他に何かありますか? (自己の知恵の探索)
初めて誰かが誰かに問いかけるクリーンランゲージの質問を耳にする時、多くの人々はこれらの質問が文法的に正しく聞こえないという事実に動揺します。
まさにその通りです。クリーンランゲージの質問は文法的に正しくありません。
それらは、最初、実に奇妙に聞こえるに違いありません。
ですが、おかしなことには、もしあなたが質問される側に立ったなら、それらは完璧に意味をなすように見えるだろうということです。
クリーンランゲージは、クライアントの心と魂に寄り添う。 デイビッド・グローブ
原題:Clean Language Questions 原文:https://cleanlearning.co.uk/blog/discuss/clean-language-questions 著者:マリアン・ウェイ Marian Way 翻訳:Clean Language translation project
編集:2023.3.6(Yukari Ishii)
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