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変化のためのクリーン・フレームワーク(2):A Clean Framework for Change|翻訳

この記事は A Clean Framework for Changeからの翻訳です

 

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変化のためのクリーン・フレームワーク_A Clean Framework for Change
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2.プロセス


<用語と図式のフォーマットについて>


私たちが「アウトカム」という単語を使用する時には、いくつか区別があります。


望ましいアウトカムは、「世界に何か新しいものを生み出したい」または、「自分を成長させたい」という、普遍的に人間を突き動かしているもの(impulse)のことを指しています。


望ましいアウトカムは、問題を回避/軽減(レメディ)したり、問題(プロブレム)を解決する望みとは区別して考えます。(後ほどステージ1のところで定義します)


望ましいアウトカムは、まだ起きていません。ですが、実際の結果はすでに起きたか、今起きていることです。


望ましいアウトカムは、それが達成されたり、経験されれば、事実上のアウトカムになります。もし、望ましいアウトカムが達成されなかったとしても、常に何かは起こること、アウトカム(結果)は常に存在することを心に留めておいてください。


そして、アウトカムには、常に結果が伴い、影響が現れます。望ましいアウトカムの場合、その影響は期待したり予想していたことです。それは起きるかもしれないし、起きないかもしれません。一方で、アウトカムが実際に起きると、いつでも、そこにはさらなる影響が現れます。その影響は、意図されたものであることもありますが、予期せぬ驚きの影響であることも多々あります。


下の図では、プロセスの様々な側面をお見せするために、以下のように共通フォーマットを使用しています。

  • そのステージのタイトルは、ステージごとの目的を示しています。

  • 表の中の質問は何をするかを表しています。

  • 矢印は、通常のプロセスの流れを表しています。

  • クライアントが描写する経験の階層の違いを、以下のように色分けして区別しています。

赤 = プロブレム(問題)

紫 = レメディ(問題回避策)

青= 望ましいアウトカム 緑=変化の必要条件

オレンジ = 変化


また、私たちがお見せする図式は、変化のためのクリーン・フレームワークを概念化する方法の一つに過ぎません。他の人たちも、それぞれ独自のバージョンを考案しています。



<全体像>


各ステージ(段階)の詳細の説明に入る前に、まず、プロセスの全体像と、5ステージのそれぞれの段階間の関係性を図1で説明します。

図1

5段階のステージは、ファシリテーターがクライアントの自己変革の旅に同行する際に、ファシリテーターをガイドしてくれるフレームワークとして用意されたものです。プロセスの中のどこにクライアントがいるかを知っておくことで、「何に、どのクリーンな質問を問いかければいいか」がわかるようになります。


(図1では)5段階のステージを順番に紹介していますが、このプロセスは直線的なプロセスではありません。また、ステージ間の移行transitionについては、明確に定義はされていません。というのも(移行は)、その瞬間に発生している個別の状況に大きく依存するためです。そして、変化は、予測不可能(unpredictable)で、繰り返される(iterative)曖昧(fuzzy)で、創発的(emergent)なものだからです。


また、ステージ1はセッションの序盤だけに発生するわけではありません。セッション中、クライアントは、一度または何回も、望ましいアウトカムを変更する可能性があります。いつ何時、思いがけない問題が現れるかもしれません。ですから、クライアントは、一度のセッション中に、おそらく何度もステージ1のプロセスを通過することになるでしょう。

同じように、セルフ・モデリングも反復的な(帰納的な)プロセスで、自発的で驚きに満ちた変化を頻繁に生み出します。変化がステージ2、3で起きるのか、それともステージ4で起きるのか、それを答えられる人はいません。


変化が現れるとすぐ、クライアントは即座に変化を成熟させるよう誘われ、プロセスはステージ5に移行します。その他全てのステージのように、成熟もまた一度限りの出来事ではありません。おそらくは、クライアントのランドスケープが変容し、新しい構造が出現する(創発/emerge)たびに、何度も成熟させる作業を繰り返すことになるでしょう。


変化のためのクリーン・フレームワークの「方程式」を簡単に言うと、以下のようになります。


開始する:始めからはじめて、順番にステージを通過する。


使う:セッションを通じて進化していくクライアントの望ましいアウトカムを、次に向かう場所を知るための動的な参照点として利用する。


気づいて認める:問題が浮かんできたら、それに気づき、プロブレムーレメディーアウトカムのモデル(PROモデル)を適用する。


続ける:変化が自然に起きるまで続け、(変化が起きたら)すぐに変化を成熟させる。その後、ランドスケープのその他の部分、特に、それまでに何らかの問題が特定されたところに、どんな影響があるかを確認する。


終了する:クライアントが納得し、それまでに特定された問題を処理できる新しいランドスケープが現れたら(創発されたら)、そこで終了する。または、時間がなくなったら終了する。



このプロセスの本質の感覚を掴めるように、図1の中で使用したメタファーを記します。


見極める Identify

発展させる Develop

探究する Explore

確認する Identify

成熟させる Mature


変化のためのクリーン・フレームワークに含まれる些細だけれども重要なポイントは、クライアントとその内的なランドスケープとの関わりの中でファシリテーターが抱く視点/考え方(perspective)にあります。‥‥デイビッド・グローブは、これをトリローグ(三者間での対話/trialogue)と呼んでいました。


ファシリテーターは、自分自身の視点/考え方を傍に置き、ただひたすらクライアントのメタファー・ランドスケープとワークすることを約束します。変化のためのクリーン・フレームワークは、ファシリテーターのためのガイドです。しかしながら、それぞれのステージが目的とするものは、クライアントが行うことにあります。ファシリテーターの役割は、クライアントが「自分の内的世界がどのように機能しているか」をセルフ・モデリングするのをファシリテートすることです。‥‥見極め、発展させ、探究し、成熟させることで。

この視点/考え方を保つために、ファシリテーターは、普段のやり方での自分の注意を切り離しておく必要があります。ファシリテーターは、外側の視点でクライアントのプロセスを追い、同時に、クライアントの内側の視点からクライアントの注意を追っていくのです。



<変化とは何か?>


それぞれのステージを通り抜ける旅に出る前に、少し立ち止まって、「変化」が意味するところを考えてみましょう。


Metaphor in Mindの中には、このように書きました。


ある時点で、クライアントは変化を経験します。人がどのように変化するかというプロセスについてほとんどわかっていないことを思えば、変化を最も正確に表現するのは、「そうすると、奇跡が起きる」という言葉かもしれません。その後、プロセスの目的そのものが、変化を追い求めることから、変化を継続し、定着させ、維持することへと変化します。そして、クライアントが自己成長の旅を続けていくと、やがて、その新しきは古きになります。(p.40)

私たちがこれを書いたのは2000年のことですが、その後の10年間、脳科学の進化は私たちの見解を強める一方でした。完全に定義できず、予測もできず、コントロールもできない…大いなる大自然を思い起こさせるような…プロセスを使ってワークしていくのは、なんとワクワクすることでしょう。そう思いませんか?


まず最初に注目したいのは、「変化」が段階(ステージ)としてはプロセス中に存在しないことです。変化は、あなたがする何かでもありませんし、いつかどこかで現れる結果でもありません。上のプロセスの全体像を表した図1の中にある3つの爆発しているオレンジ色の星は、変化がステージ2、3、4で起きることを表しています。各ステージで変化が起きる可能性がどれくらいあるかについては、オレンジ色の星からステージ5への矢印の太さで表しています。


変化は、驚くことに、偶然の産物ではありません。変化のためのクリーン・フレームワークは、累積的なプロセスです。一般論としては、クライアントは、セルフ・モデリングをクリーンにファシリテーションされればされるほど、より頻繁に何らかの変化(シフト)を経験します。


ただ変化の結果やその影響によってのみ、その変化の重要性を知ることができます。物事の進展(development)が「ダマスカスへの道」のような瞬間(*)に起きることはほとんどありません。多くの場合は、徐々に繰り返される変化の積み重ねがそこにあります。

(*)ダマスカスへの道:人生における突然の転機のこと。一瞬で何もかも変わること。聖書由来のフレーズ。パウロがダマスカスへの道で神の声を聞き、クリスチャンになったという話。


入り組んだ適応システムが変化する時には常に、予期せぬ結果や影響があることでしょう。その出来事に思わぬ幸運(serendipitous nature)があるかどうかは、前もって予測することはできず、その出来事の後にしかわかりません。これが、変化が検出されたらすぐに、それを成熟させて、時間が経過すると何が起きるのか、そして、ランドスケープの他の部分には何が起きるのかを調べてはっきりさせる理由です。


小さな変化が別の変化につながっていくことが多いでしょう。そして、それがさらなる変化へを生み、またさらにと、数珠繋がりに変化が連鎖して起きることがよくあります。このように、見た目に小さな変化でも、最終的に大きな影響を生むプロセスのきっかけになることがあるのです。これは、予測不可能なプロセスです。ですから、「いつクライアントのシステムが変化するか」、「その変化の影響や効果はどんなものか」を予測するのは諦めることをお勧めします。その代わりに、変化のチャンスを提供する条件を整えること(encouraging)に注意を向けるのです。

つまり、「何かが変わろうとしていることを示す合図に気づくこと」、「変化を成熟させることによってそれらの合図に応答すること」です。そして、大人しくそれを眺め、繰り広げられることに驚くのです。


クライアントと、メタファー・ランドスケープの変化について、多くの経験を積めば、クライアントのシステムが創造的な変化の一歩手前に来ているか、変化する可能性がある時に、直感的なシグナルを発展させることができるようになるでしょう。そういうシグナルを受け取ったら、クライアントの注意がそこから逸れないように誘う以外には、あなたの仕事は、できるだけ何もしないことだけです。

さあ、では、ここからは旅の各ステージをより詳細に見ていきましょう。



 

©︎Penny Tompkins and James Lawley

翻訳:Yukari.I

 

<用語の翻訳について>

まだ翻訳が固まっていない用語、元の英単語が日本語では複数の異なる意味を持つ単語、かなり意訳している単語については、()でくくって元の英単語を表記しています。

また、同じ単語でも、クライアント側の体験とファシリテーター側の体験で理解が異なると思われる単語については、その時々の文章が、クライアント側の体験について書かれているのか、ファシリテーター側の体験について書かれているのかによって、訳を使い分けしています。この記事の中では、Identifyという単語で、それを頻繁に行っています。

より理解を促進するために、すでにクリーンランゲージを使用されている方で、翻訳がしっくりこないと感じる場合は、元の英単語も調べて、ご自身の体験と照らし合わせてみることをお勧めします。

 

誤訳にお気づきの方は、お手数ですが、


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ご連絡いただけると幸いです。






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