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システミックなアウトカム志向とベクタリング(3)

(1)はこちら、(2)はこちら

ベクトルには、2つのタイプのベクトルがあります。


〜から〜まで

〜から〜の方へ   (このアイデアをありがとう、マリアン・ウェイ)


「ある〜から、ある〜まで」のベクトルには、多少明確な終点があります。

通常、それらのベクトルは、クライアントが「〔〜〕をはっきり確認する」のを促進するために使われ、ここでは、〔〜〕はクライアントの体験の特定の位相です。例えば、メタファー、望ましいアウトカム(の発言)、彼らが何かをどのように知るかの証拠(エビデンス)や基準、などです。

この典型的な「〜から〜まで」ベクトルは、1980年代にデイビッド・グローブにより開発されました。そして、「感情からメタファーへ」のベクトルとして知られるようになりました。


このベクトルは、クライアントが「感情、その他感覚のために、メタファー/シンボルを明らかにする」ことを手助けします。(セクション4「サンプルベクトル」参照のこと)。それは、以下全ての特徴を持っています。


  • 始点がある。それは、クライアントの現在のある点から始まる。この場合は、感情が始点。

  • 目的と終点がある。クライアントの感情の感覚が、象徴的(シンボリック)に表現されること。

  • 手段がある。その手段(通常、一連のステップを経る)により、クライアントは終点にたどり着く機会を提供される。 この場合は、感情の場所を確認し、次に、その感情の感覚的な特徴の数々を明らかにし、そして次に、それらの特徴をメタファーかシンボルに変換するようにクライアントを誘うために使うことによって。



「〜から〜の方へ」ベクトルには、はっきりした終点がありません。ファシリテーターがベクトルが完成したとみなすためには、その時点でクライアントが「十分(enough)」を持っているかどうか(クライアントが満たされているかどうか)を、常に判断しなければなりません。


典型的な「〜から〜の方へ」ベクトルは、クライアントが「望ましいアウトカムの知覚(理解)を発展させる」のをファシリテートされる時、いい例となります。

それは以下を含みます。


  • クライアントの望ましいアウトカム(の発言)が始点。

  • (クライアントの)望ましいアウトカムの3次元的でサイコアクティブな(心理的に活性化された)知覚を体現する方向へ向かわせる意図。

  • 手段として:発展させる質問(時間を止める)に答えることによって、クライアントは形、場所、望ましいアウトカムを含む重要なシンボルの数々の機能とそれらのシンボル間の関係性を作り上げることができる。


どの程度、そしてどれくらいの時間、クライアントが彼らの注意を一つの望ましいアウトカムの知覚に向け続けられるようにファシリテートされるかは、ファシリテーターが考慮する以下に述べることを含む多くの要素によります。


  • クライアントの望ましいアウトカムの内容(コンテンツ)の論理(ロジック)

  • ファシリテーター自身の知覚と言葉に対するクライアントの応答

  • クライアントの自己覚醒(自己認識)の度合い

  • そのクライアントが望ましいアウトカムの知覚を生み出せる容易度/難易度

  • ファシリテーションに与えられた時間

  • クライアントとファシリテーターの間の信頼関係(ラポール)の度合いとそこにある関係性


ベクトルの名前 この後に述べる一般的なベクトルの例は、抽象的な概論(一般論)だということを、頭に置いておいてください。それらを述べるのは説明目的です。

ベクトルの数々は、実際のクライアントのセッション(または他者との相互作用)中に、実際に生じるものです。このことにおいて、すべてのベクトルを唯一のものとして尊重しましょう。


ベクトルは、以下の方向に含まれます。

ファシリテーターが進んだと考える方向性 または オブザーバーがそのプロセスが進んでいると考える(または、もし、分析がセッションが行われた後にされるのであれば)進んだと考える方向性。 しかしながら、ベクトルは、名前を持つ一般的なベクトルとして、「〜から〜まで(の方へ)」構造によっても識別されます。 論理の一致のためと、ベクトルが意欲的なプロセスであると示すために、(ルールとしての)ベクトルの名前は……以下のようになります。 <動詞+名詞のフレーズの組み合わせ>

〜を〜(動詞)する

例) 望ましいアウトカムを明らかにする

望ましいアウトカムのための証拠を明らかにする 感情由来のメタファーを明らかにする

非言語由来のメタファーを明らかにする

概念(コンセプト)由来のメタファーを明らかにする

何が問題かを明らかにする

説明を明らかにする

中にいるチャイルドを明らかにする

望ましいアウトカムの知覚を発展させる

リソースの知覚を発展させる

レメディの知覚を発展させる

問題の知覚を発展させる

望ましいアウトカムが起きる証拠を探索する(探求する)

連鎖を引き出す

変化を成熟させる

リソースの出所を明らかにする



私たちは、最も一般的なベクトルー動詞の組み合わせは以下のようであると定義します。


(4)に続く


 

著者:Penny Tompkins and James Lawley

翻訳:Clean Language translation project

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