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変化のためのクリーン・フレームワーク(7):A Clean Framework for Change|翻訳

この記事は A Clean Framework for Changeからの翻訳です

 

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変化のためのクリーン・フレームワーク_A Clean Framework for Change
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<この記事の概要> 3.他には何か?

 

3. 他には何か?


何も変わらない時


もし、変化のためのクリーン・フレームワークのステージを一通り旅しても、「クライアントがまだ変化を経験していない場合」、または、「その人の人生を変化させる準備が十分に整うほどの変化を経験しなかった場合」に、非常に役に立つアプローチの中から2つご紹介しましょう。


  1. セッションの効果が実際どうだったのか待ってみる。(その人にとって)驚くほどに価値のある変化が、(セッションの)数日後に現れることがあります。また、クライアントが予期せぬ時に、変化が起きることもあります。

  2. (そこまでに)すでにクライアントのランドスケープの中に現れていたリソースを利用する。


リソースを発展させる


クライアントが価値を認めているか、有益(便利)だと証明されているもの/事であれば、何でもリソースになり得ます。それらのリソースは、ステージ2、3、4または5で自然に現れることもあります。また、望ましいアウトカムは、ある意味リソースでもあります。特に、身体化された(embodied)望ましいアウトカムはそうです。

リソースは、望ましいアウトカムと同様に発展させることができます。また、その発展させたリソースが、ランドスケープの他の部分に及ぼす影響/効果を探究することもできます。

Metaphors in Mind(日本語未翻訳)の索引の「リソース」の項目には、顕在的なリソースや潜在的なリソースの見つけ方、リソースをクライアントの意識の前面にもたらす方法などが掲載されています。また、リソースの活用例も掲載しています。 (リソースを発展させる)プロセスをまとめると、以下のようになります。

1. (潜在的な)リソースを見極める/確認する/明らかにする(Idendify)(*)

(*)

他の選択肢もあります。 もし必要であれば、「そして、[リソース]はどこから来たのでしょう?(And where could come from? )」と何回か、繰り返し質問して、リソースの源/出所を確認する方法です。リソースの源にあるのは、通常、元のリソースよりもさらに豊かなリソースです。それを活用します。



2. 発展させる:リソース(メタファーや場所、特徴、機能など)のクオリティ(質)を発展させる(develop)

3. 探究する:問いかけて、リソースの効果/影響を探究する(explore)

  • And when [resource], then what happens? そして[リソース]、すると何が起きますか?

  • And when [resource], what happens to [desired outcome or problematic context]? そして、[リソース]のとき(に)、[望ましいアウトカム、または、問題を含む文脈]には何が起きますか?

4. 変化が現れたら成熟させる(mature)


多くの人は、自分が持っているリソースへのアクセス方法を知りません。また、知っていたとしても、そこに十分にはアクセスしていません。そのため、リソースを発展させるのは、例外なくほぼ全ての人に有益です。しかし、リソースの効果/影響の探究や、発展をファシリテーションする時にも、ファシリテーターは、何一つ変えようとはしないでください。もし、クライアントのシステムが(プロセスの)影響を受けないままであれば、何か重要なことが起きています。そういう時、私たちは、次回のセッションにクライアントを招待します(セッションを受けるように勧めます)。


変化のためのクリーン・フレームワークが十分ではないとき


変化のためのクリーン・フレームワークは、大抵、誰にでも作用しますが、いつでも誰にでも作用するということでもありません。それはどんなプロセスにも無理だろうと思います。

あなたはこう思うことがあるかもしれませんね。 「なぜ、この人は人生をよりよいものにしようとしないのだろう?」、「なぜ、自分の望みをはっきりさせようとしないのだろう?」、「なぜ、望みが叶ったり、それがどんな影響/効果をもたらすかを体験しようとしないのだろう?」、そして、「なぜ、望ましいアウトカムが現実になるためには何が起きる必要があるかを、はっきりさせようとしないのだろう?」

理由は一つです。その人(クライアント)にはそれができないからです。この「できない」は、その人にその能力がないわけではなく、その人のシステムの中の一つもしくは複数の側面が、その考えに抵抗しているのです。可能性を検討しようとするだけで拒絶反応が起きてしまうことすらあります。

以下は、クライアントのシステム体系が、変化のためのクリーン・フレームワークに応じない時に現れる指標です。5ステージの段階ごとに指標は異なります。

ステージ1

クライアントが望ましいアウトカムを見極めることが(identify)できない。

ステージ2

クライアントが望ましいアウトカムを描写豊かに発展させることができない。または、望ましいアウトカムに注意を向け続けることができない。

ステージ3

望ましいアウトカムが起きることによって現れる影響/結果が、クライアント自身、または、クライアントのシステムの一部(その人の周囲の他人や環境に対しての認識も含む)にとって受け入れ難い。

ステージ4

クライアントが望ましいアウトカムの実現に必要な条件を確認/特定(identify)できない。または、条件と相反する論理(ロジック)が、変化の必要条件が実行されることに抵抗する。

ステージ5

​変化のためのクリーン・フレームワークを続けても解決できない問題や懸念、疑いで、変化の成熟が中断される。


上記のいずれかにあてはまる状態かどうかを識別する最善の方法は、クライアントに以下のような複合的な機会を提供することです。

  • 望ましいアウトカムを見極める・明らかにする(identify)。

  • 望ましいアウトカムのメタファー・ランドスケープの中で、それ(指標になっているもの)を発展させる。

  • そのアウトカムが起きる影響や効果を探究する。

  • 望ましいアウトカムが、現実の結果になるために必要な条件を確認する(identify)。

  • どんな変化でも、それが起きたら成熟させる。


私たちはこれまで、クライアントが提示している望ましいアウトカムを見落としては、「クライアントが望ましいアウトカムを見つけられないんです」と言うおびただしい数のファシリテーターを見てきました。これは頻繁に起きています。(ファシリテーターが望ましいアウトカムを)見落とす原因は、以下の(a)または(b)です。

  1. 望みは、アウトカムではないその他諸々の情報の中に埋め込まれていることが多く、ファシリテーターが、クライアントの全ての発言について、プロブレム・レメディ・望ましいアウトカムのどれに相当するかを識別できていない。

  2. セッションが進行した後、ファシリテーターが、PROモデルを使うチャンスを見逃している。


ステージ全体を通して、クライアントが障害や問題、または「もしも?(仮定の話/What if)」に出くわしたとしても、それは、変化のためのクリーン・フレームワークが機能していないことを示す兆候ではありません。むしろ、真逆で、変化のためのクリーン・フレームワークは完璧に作用しています。なぜなら、このプロセスは、<クライアント自身が「これが欲しい」と口にした変化>をクライアントが起こすのを妨げる特定の問題が見極められるように考案されているからです。これらの問題は、通常、セッションの最初に「どんな問題ですか/何が問題ですか?」という問いかけに対してクライアントが語る問題の類とは、その性格がかなり異なります。


時にクライアントが、「自分が起きたらいいと思っていることは起きない」、または、「それが起きても、いいことがなさそうだ」という結論に至ることがあります。もちろん、この(クライアントの)気づきこそが、変化です。普段通りに、この変化を成熟させ、適切なタイミングで、「そして、[…]をふまえて/[…]だとして、今、あなたは何が起きればいいのでしょう?」(*)と問いかけてください。

(*) 原文:'And given [...], now what would you like to have happen?’    

私たちが変化のためのクリーン・フレームワークが「十分ではない」という時は、プロセスを数回繰り返した後に、「変化のためのクリーン・フレームワークをその問題に適用しても、望ましい変化が生み出されないということがはっきりした場合」を意味します。これは通常、クライアントがバインドの中にいることを指し示しています。バインドとは、望んでいるわけではないのに繰り返される自己防衛パターンです。


バインドのパターンが存在しても、変化のためのクリーン・フレームワークには、まだ利用価値があります。全てのバインドが解かれるまでに何回か、いくつかのステージを繰り返す必要があるかもしれませんが、クリーン・フレームワークは、バインドにも直接的に作用することでしょう。

クライアントが、バインドに焦点をあてている間は、「そして、[バインドのパターンをリキャップする]のとき、[あなたは/シンボルは]何が起きればいいのでしょう?」と問いかけるチャンスを探してください。

この質問を適切なタイミングで問いかけられると、クライアントはパターン全体と向かい合います。

また(この質問は)、「どのように経験しているバインドに対処したいか」を表す望ましいアウトカムを確認する(identify)ように、クライアントを誘います。クライアントはおそらく、この質問をされた経験はないはずです。そのため、クライアントが質問の意味を理解するまで、何度か繰り返し問いかける必要があるかもしれません。

また、このアプローチが効果を発揮しないケースが稀にありますが、その時は、「どのようにこのアプローチが作用しないか」に注目してください。そうすると、変化のためのクリーン・フレームワークを精巧な診断方法として利用することができます。

5つのステージを通じて、「クライアントのシステムが拒絶・抵抗・転換または回避したプロセス」は、アーネスト・ロッシいわく「覚醒に至る兆候(The Symptom Path to Enlightenment)」の道しるべと捉えることができます。(クライアントのさまざまな)反応を誘発したステージと、反応が現れた方法こそが、まさにクライアントが注意を向けるべき場所なのです。



あなたが望むことを実現する


ここまで私たちは、他者の人生に変化を生み出すために、他者をファシリテーションする方法としての、変化のためのクリーン・フレーフレームワークを説明してきましたが、このプロセスは、自分自身の成長をファシリテーションするための汎用的なモデルとして考えることもできます。


「何を望んでいるか」に気づいていく過程(プロセス)を具体化/身体化して、それから、その望みを詳細に練り上げ、得られる効果や現れる影響を検討し、その願いを達成するためには何が起きる必要があるかを理解し、現れる変化についていくことで、ゴール志向(goal-orientated)の社会で成功する道筋が見えることでしょう。

また、この方法は目に見えない望み、例えば、「パートナーとどのような関係を築きたいか」といったようなことを話し合う場合にも有効です。


自分自身のために、変化のためのクリーン・フレームワークに取り組む作業は、一度限りですむプロセスというわけではありません。ポイントは、「実際に起きていること」、「変化していくニーズや望み」、「発生している問題や生まれているチャンス」に合わせて、変化のためのクリーン・フレームワークを使いながら、「私は何をする?」と、自分が行うことを調整し続けることです。


もしも、あなたの人生の中の大切な願いに、変化のためのクリーン・フレームワークを一生懸命使ってみても、あなたが望む結果が得られなかった場合、「自分は自分自身を欺いていないかどうか」を考えてみるのがいいかもしれません。もしそうであれば、望む変化を起こす前に、あなたは「(自分が)真実だと知っていることを元に行動する方法」を学ぶ必要があるのかもしれません。…しかし、それは、また別の話です。


終わりに


もしも、あなたが変化のためのクリーン・フレームワークを、クライアントを一歩ずつ導いていく直線的な方法として使用するなら、存分に活用することはできないでしょう。変化のためのクリーン・フレームワークの利用ポイントは、これをモデリング技法として利用することです。また、「クライアントが繰り広げる旅のナビゲーションを手助けするもの」として使用することです。これを両立するためには、「実際に起きていること」に合わせて、「私は何をする?」と、自分が行うことをを調整し続ける必要があるでしょう。…一歩ずつ、丁寧に。


後書き


2011年以降、本質的な変化のプロセスのためのモデルとして、私たちはシンボリック・モデリング・ライトというモデルを使用しています。興味深いことに、そのモデルは、Metaphor in Mindの中に書いたオリジナルの5段階プロセスと非常に近いものとなりました。

参照: 'Symbolic Modelling Emergent Change though Metaphor and Clean Language', Chapter 4 of Innovations in NLP: Innovations for Challenging Times (Eds. L.Michael Hall & Shelle Rose Charvet, Crown House Publishing, November 2011). Download from cleanlanguage.co.uk/articles/articles/346/(2022.8現在未翻訳)

 

©︎Penny Tompkins and James Lawley

翻訳:Yukari.I

 

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ステージ4に登場する[論理/ロジック]について、クリーンランゲージ&シンボリック・モデリングで、それをどのように扱っているかを取り上げているこの記事の著者とマリアン・ウェイの3人が開講している、いつでも視聴可能なオンライン配信講座があります。【無料日本語翻訳資料あり(現在シーズン4のみ)】


どうやって、その人固有のロジック/論理ができあがっていくのか、クリーンランゲージでは、その人固有のロジックをどのように捉えているのか、従来のコーチング技法とクリーンランゲージの違いも、シーズン4の最初でわかりやすく説明されています。


どなたでも受講可能です。 初心者向けの内容ではありませんが、シーズン4は、「変化のためのクリーン・フレームワーク」を使ってみたいと思われる方はかなり参考になると思いますのでご紹介します。内容や受講方法など詳しくは、バナー記事からご確認ください。


 

<用語の翻訳について>

まだ翻訳が固まっていない用語、元の英単語が日本語では複数の異なる意味を持つ単語、かなり意訳している単語については、()でくくって元の英単語を表記しています。

また、同じ単語でも、クライアント側の体験とファシリテーター側の体験で理解が異なると思われる単語については、その時々の文章が、クライアント側の体験の目線で書かれているのか、ファシリテーター側の体験の目線で書かれているのかによって、訳を使い分けしています。このシリーズ記事の中では、Identifyという単語で、それを頻繁に行っています。

より理解を促進するために、すでにクリーンランゲージを使用されている方で、翻訳がしっくりこないと感じる場合は、元の英単語も調べて、ご自身の体験(クライアントとして、ファシリテーターとして)と照らし合わせてみることをお勧めします。

 

誤訳にお気づきの方は、お手数ですが、

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ご連絡いただけると幸いです。


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