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この記事は、A 1998 talk by DAVID GROVE (編集:ジェームズ・ローリー)の翻訳です。
[2つ目のデモンストレーション]
さて、ここからは、他の人と始めましょうか。
[ボランティアBに向かって]どのように始めたいですか?(How would you like to begin?)
[ボランティアB]さっぱりわかりません。(自分には何の考えもありません/I have no idea)
いいでしょう、さて、彼女は頭を振っていましたね?そうですね、これを取り上げましょうか。どう始められるか、やり方を一緒に見ていきましょう。「さっぱりわかりません」か、彼女が頭を動かしたやり方を取り上げますよ。
[グループ全体に向かって]さて、私は、先ほど言ったばかりのことを、どう変えたでしょうか?
[参加者が何か言うが、聞き取れない]
私は、彼女が頭を「振っていた(shook)」と言いました。それからその後、言葉を変えて、彼女が頭を「動かした(move)」と言いました。わかりますか?
その理由は、「shook(振っていた)」が、「move(動かす)」より侮蔑的な形をしているからでしょうか?
理由は、それが「振っている(shook)」だと、どうやって私はわかるのか、です。
なぜ、私は、それを「振っている」と呼んでいるのでしょう?
つまり、私は、(私のものを)減らして、そこから挽回しようとしています。
…そして、ここにはある部分、議論性もありますね。
つまり、質問の形式として…議論の余地がより少ない質問を問いかけたいのです。
つまり、彼女は話を戻して、言えるんです。
「私は、頭を振ってはいません。私は、単に、方角を示しただけです」とですね。
そして、もし、私が、「そして、あなたが自分の頭を動かした時(So when you moved your head)」といえば、そこには「振っていた」と、「(方角の)示唆」(の両方)が含まれているのがわかりますね。その方が、より包括的な[形式]なのです。
さて、質問を組み立てたくて、私が探している部分の話ですが、自分の質問がどの程度、答えやすいものであるか、ということなんです。そこに、ヘルシーな妄想癖は、非常に役立ちます。それから、人前でワークをしていたのでこんなことになってしまったのだとは思いますけども、もし、クライアントがやってきて、議論することになんてなったら、たまったもんじゃありませんよ(笑う)。
「私、頭を振ったなんて言ってません!」[以下、聞き取れない]
[ボランティアBに向かって](あなたは)違和感を感じましたか?(Did you feel the difference?)
[ボランティアB]ん〜、うん。
それで、何が違いましたか?(So what was the difference?)
[ボランティアB]「振っていた、ではなかったですね[聞き取れない]。」
それで、「振っていた」という言葉は、どこに向かいましたか?そして、「動く」という言葉はどこに向かいましたか?(So where did the word ‘shook’ go and where did the word ‘move’ go?)
[ボランティアB]「動く は体の中に入っていきました。振っていた は[?]に行きました。」
[グループに向けて]みなさん、(ボランティアBの)その(that)身体感覚は掴めましたか?
私は、挽回できたようですね。
みなさんお聞きのように、違いがあった、もちろん、私が「動いた」という言葉を使った時に。
[ボランティアBに向かって]では、それ(動いた)で進めて大丈夫ですか?
[ボランティアB]はい。
わかりますか?私は、繰り返した時に、言葉を変えただけです。それで、挽回できます。
そしてもう、 議論の余地はなくなるわけです。もし、(そのまま)質問を問いかければ、クライアントはあなたの言葉選びや言葉を(クライアント自身の視点から)解釈しようとして、大忙しになってしまいますから[聞き取れない]。
それから、しっくりくると感じられる(適切/正しいと感じられる)質問を思いつかなくて、ただ最善を願うか、クライアントが何か(話)を持ち出してくるのを待つしかないこともあるんですよ。つまり、質問が文法的に[正しいか]どうかということではなく、その質問をどう感じるかの方が重要なんです。質問に、リズムや[聞き取れない]があるか?それが、[聞き取れない]よりももっと重要なんです。
さて、「動く」という言葉が手に入りましたね。
[グループ全体]そして、あなたの頭が動いて、「自分には何の考えもない」というとき、その動くはどんな動くですか?(And what kind of move was that move when you moved your head and said ‘I have no idea’?)
[ボランティアBが何かいうが聞き取れない]
そして、そうですね、彼女が「動く」という言葉を私の体の方に向けて言ったのを思い出して下さい。そして今、[聞き取れない]と呼ばれている場所があることがわかりました。そして、他には何があるでしょう?(And what else do we have?)
[参加者]「右手」
そうです。そしておそらく、メタファーが得られるだろうとわかりますね。でも、面白いのは、少しばかり時間を捕まえて(時間を止めて)、どんな手や指なのかを調べてみることかもしれませんよ。つまり、私は知らないんです。それ(ら)は、手なのか、それとも複数の指なのか、それとも、指を差している(動作)なのか。どれなんでしょうね?
[参加者が何かいうが聞こえない]
そこにあるからですよ。つまり、私がやっているのは、時間の逆光です。ミラーリング(ミラー効果/同調効果/mirror effect)[を使うこと]もできますが、それには、そこに付随する言葉が必要です。でなければ[聞き取れない]。どうやればいいのか、私に教えて下さい。
[ボランティアBに質問する参加者と会話するが、聞き取れない]
そして、そのパーツには、名前をつける必要があります。[聞き取れない]
そして、もし、あなたがそのパーツ、もしくは、その小さな子供に名前をつけていなかったとしたら、どうにもなりませんよ。
そうすると、彼女(ボランティアB)は、非常に認知的な探究をすることになります。
それに、あなたが内側に向かおうとしているのか、それとも手と一緒に過ごしてみようとしているのかも、はっきりしません。
つまり、今のところ、私たちは、自分たちが「ここ」に入っていける、そうすれば「ここ」にあるものがわかる、ということはわかってはいるわけです。ですが、ただ、手と一緒に過ごしてみると面白いかもしれませんね。何を言えばいいのかがわからないので、さて、ちょっと、もそもそ言ってみましょうか。
そして、(あなたが)あなたの手を動かす、そして、そのように指さすとき…
(And when you move your hands and point like that …)
わかりますか?これは「kind?(性質/本質を問いかける)」の質問です。
「kind」はドイツ語では何て言うの?[聞き取れない]
その質問は、よく考えますね。…いい質問ですよ、だんだん小さくなって(消えて)いき(tails off)ますからね。
そして、それがそのようにやって来る時、その手はどんな手(ですか)?
(And what kind of hand could that hand be, when it comes like that?)
[ボランティアB]「知っている手です。」
さあ、みなさんで(言ってみましょう):
[グループ全体]そして、知っている手。そして、その知っている手について、他に(は)何かありますか?(And a hand that knows. And is there anything else about a hand that knows?)
[ボランティアB]「ただ、知っているんです。」
さあ、「ただ知っている」とわかると、他にどんなことが、アナロジー的(類推的)にわかるでしょう?(what else do we know analogically?)
ここにある他の何か。手と「ただ知っている」がわかったので、それがどこに向かうかはわかりませんが、さあ、質問してみましょうか。「何歳ですか?」
[グループ全体]そして、その手がただ知っている時、その手は何歳ですか?(And how old could that hand be when it just knows?)
[ボランティアB]手に年齢はありません。いつでも知っています。
[グループ全体]そして、手に年齢はない…
あのですね、そうは言いません。それ(手の年齢)は、みなさんが考えたいことだから。
もし、(手が)本当に小さい年齢なのであれば、私は心から(そう)復唱したいと思うでしょう。でも、みなさんが、このような部分を繰り返し復唱し続けたとしたら、どんな退屈なことになるかわかりますか?この話は長くなることはわかっているので、省略してお話しします。
…で、みなさん、流れがよくなるのがわかると思います…今度は、もう少し、会話的になるからです。
彼女は、そこに行って、答えを手に入れて、すぐに戻ってきます。ですから、今、私は、機敏である必要があります。そして、私は、自分が子供の部分(the child bit)には向かわないとわかっています。質問方針を変更するからです。となると、最後の部分は(さっき、ボランティアBが最後に言った言葉は)?
[参加者がボランティアBが最後に言った言葉を復唱]
それを引き戻してみましょうか。
[グループ全体]そして、その手が「いつでも知っている」とき、その「いつでも知っている」を、その手はどこから手に入れていますか?(その「いつでも知っている」の出どころはどこですか?)
(And when it’s ‘always known', where does it get its ‘always known’ from?)
[ボランティアBが何か言うが、聞き取れない]
[グループ全体]そして、あそこにある、その貯蔵庫(store cupboard)はどんな貯蔵庫ですか?(And what kind of store cupboard could that store cupboard be, that’s up there?)
[ボランティアB]「アラジンの洞窟」
[グループ全体]そして、そのアラジンの洞窟、そして、その いつでも知っている貯蔵庫があるアラジンの洞窟 について、他に(は)何かありますか?(And its an Aladdin's cave, and is there anything else about an Aladdin's cave that has a store cupboard in it that’s always known?)
[ボランティアB]私は、そこに行けるんです、でも、その中で何を見つけるかは知りません。でも、(私は)知っているんです。私は、その中にある自分に必要なものを見つけるって。
そこにたくさんのものがありましたね。そして、その(ボランティアBがしていた)右手の美しい振り付けには気がつきましたか?手が指差していましたね。 そして、その右手は どんな右手なんでしょう それが[?]そこにあるとき(には)。
(And what kind of hand could that right hand be when it’s [?] there?)
[ボランティアB]「その右手がそれをするんです。(それが、)貯蔵庫に行って、周りを見回して、(私が)必要な何かを見つけて、(それを)持って戻ってくるんです。」
それに「何歳?(How old)」と聞いてみることにしましょうか。
[グループ全体]そして、その手は何歳ですか? その手がそれをして、何かを見つけて戻ってくるために周りを見回すとき。(And how old could that hand be when it is doing that and looking around to find something to bring back?)
[ボランティアBが何か言う。聞き取れない]
さて、それがどんな様子かわかりましたか?さて、これで、本当に手と関係が生まれましたね。 それで、それがそのような時、その手は何をしているんでしょう?
(So what’s it doing when it’s like that?)
[ボランティアB] 「貯蔵庫の中で答えを探し回る感じ。」
そして、いつ、右手はそうするの?(And when it doing is doing that?)
[ボランティアB]「答えのまとめ方を考える。」
そうして、これが、答えのまとめ方を考えること、そして、この答えを探し回る感じ。今、私は関係性を構築しようとしています。[聞き取れない]
[ボランティアBが何か言う。聞き取れない]
私は信じる者ですよ(笑う)。さあ、今、あなたが彼女に出す課題は何でしょう?(Now what would your assignment be for her now?)
[参加者]「手にできること全てを、絵に描いて下さい。」(Draw pictures of all the things it can do.)
さあ、彼が言った「手にできること全てを、絵に描いて下さい」について考えてみましょう。今、私たちは、手にできること「全て(all things)」は知りません。手には「何か(anything)」ができますが、「全て」ではありません。違いがわかりますか?
[ボランティアBに向かって]あなたはその違いを感じますか?[うなずく]2つの違いは何でしたか?
[ボランティアB]「何かは、より幅広くて、私が知らないこと、まだ自分がそれらをしていないので描けないこと、もあります。それに対して、全ては、私が知っていることです。」
[グループに向かって]みなさんが、その(ボランティアBの)振り付けから、他に何か、わかったことはありますか?
[参加者]「知らない が、こっちにあって、知っていること が、この上にあります。」
その通り。彼女が知っている全ては、このようで、そして、彼女が知らない全ては、このよう。
そこに違いと、この手に関する全てを知ることができるこういった類の質問(interrogatory)と、その中にある全ての情報、がありますね。そして、時間を前に動かす(先に進める)のではなく、その手について問いかけることで、それが簡単に手に入りましたね。
つまり、私は年齢について問いかけましたが、最初にはそれは作用しませんでした。それで、私たちが、再び「手」に戻ってみると、手は(前とは)違った動きをしましたね。そうして、私たちはこの手について、本当にちょっとだけ理解しようとしています。それで、私が知りたいと思っているひとつですが…そして、彼女が最後の発言で言ったように、この手には何かができるんです。
[ボランティアBに向かって]それでは、この手にできる何かを全て、リストアップしてみましょうか。この手にできる何か(*)はいくつありますか?(So list all the anythings that this hand can do. How many anythings can this hand do?)
(*)原文で、これ以前の「何か」は単数形。この「何か」は複数形。
さて、私が名詞を作り出している様子がわかりましたか…私は、「何か」が何なのかは、知りません。でも、私が質問を歪めたのがわかりますね。さてさて、私は「anythings(何かの複数形)」と呼ばれる部類の物があり、それは名詞だと言っています。これを踏まえて、[私は]「この手にできる何かを全てリストにしてみましょうか」と問いかけたんです。その方が、私はそのどれも調べる必要がありませんし、彼女は、その全てを知ることができます。
私は課題を出せますし、彼女は、その手から多くの情報を得ることができます。なぜなら、それは(手の)言葉に直接語りかけているからです。
[グループに向けて]さて、手に、直接語りかける質問は何でしょうね?(Now what is a question that speaks directly to the hand?)
私たちは、手が知っているだろうことを眺めています。手はさまざまな位置(positions)にありましたよね?
[ボランティアBに向かって]ですから、この手のさまざまな位置が何なのかを調べてみるのもいいかもしれません。私たちが知っているのは、手がこのようなとき、手は貯蔵庫を調べているということ。手が考えているときは、このよう。私が知っているのは[聞き取れない]そして、私たちが知っているのは、少なくとも、このような4つ、または5つの位置、だから、あなたはリストを作って、この手には他に何ができるのか、その全てを理解できるだろうということですね。
この質問から多くの情報が得られるのが理解できますか?なぜなら、私は、(手が)少なくとも4つのことをすると知っているからです。そして、私に推測できるのは、手がすることが他にも束になってあるだろうということです。わかりますか?言葉のようなもの、アナロジーのようなもの、ただそういったものを取り上げるだけで、そのどちらもに手伝わせる課題を出すことができるんです。手を尊重することができるんです。そして、それは、手から現れるその他全てのものを尊重することになります。そうすれば、あなたが[聞き取れない]にそんなに関わる必要はありません。
[参加者がコメントを言う] セッションの中でそうすることもできますが、彼女はおそらく5分10分は「何か」に費やすことになるでしょう。「何か」を紙に書き出せば、「手」から「何か」を得られるのでね。
少し休憩しましょうか。
デイビッド・グローブ
2008年に急逝するまで、数々の治療法を考案し、アメリカ、イギリス、フランス、そして出身国であるニュージーランドでトレーニングセミナーを開催した。1989年、B.I.パンザーと共著で「Resolving Traumatic Memories」を出版。クリーン・ランゲージ、クリーン・スペース、エマージェント・ナレッジ、その他多くのプロセスの創始者。
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